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雑誌「アウラ」(フジテレビ発行)に寄稿したエッセイ

デジタル情報活用術「デジタルとアナログの境を往来する絵本作家の現場」

(雑誌「アウラ」(フジテレビ発行)に寄稿したエッセイです。)

私の職業は、イラストレーター・絵本作家。広告や雑誌、Webなどに掲載するイラストレーションを描くのが仕事である。また近年は、紙で作った小さな犬“ペーパーわんこ”を世界各地で撮影するプロジェクトや、「どうぶついろいろかくれんぼ」(ポプラ社)・「このしっぽ だあれ」(講談社・本年11月発売予定)など絵本の制作にも力を入れている。イラストレーションや絵本の原画は、ほとんどパソコンで描いているし、仕事の打ち合わせや資料探し、そして原稿の納品もネットで行なうことが少なくない。一方、毎年開いている個展では、油絵や水彩画を多く描いて出品している。デジタルとアナログのフィールドを行き来しながら、心に残る作品を作っていきたいと思っている。

さて、私のとある一日。
  午前9時頃、起床するとまずパソコンの電源を入れ、NIKKEI NETでニュースをチェックする。ニュースサイトはいろいろあるが、読みやすさと記事のバラエティで、こことYahoo!ニュースが気に入っている。NIKKEI NETの動画ニュースでは、デジタルカメラなどの新製品情報もチェックする。新聞も購読しているのだが、こちらは週末など時間のある時に、興味ある記事や特集をまとめて読むことが多い。

 私は写実的に描くタイプのイラストレーターではないが、それでも資料写真が必要になることはよくある。例えば、剣道をしている場面を描く場合、剣道着の写真はやはり見ておきたい。昔なら、図書館か書店に本を探しにいったところだが、今はGoogleのイメージ検索で、瞬時に適当な写真資料が大量に見つかる。また、ストックフォト業者(写真データを印刷用などとして貸し出すサービス)のサイトで検索すれば、テーマに合った美しい写真サンプルが無料で閲覧できる。便利になったものだ。
 最近、絵本の制作に力を入れていることもあって、よく利用するのは、児童書出版社リンク集。児童書を出している出版社は、けっこうたくさんある。各社の新刊情報、売れ行きランキングなどにも注目。ポプラ社のサイトには、営業マン日記!なんてコーナーがあって、出版社のリアルな現場の様子が分かっておもしろい。
絵本ナビは、絵本選びに役立つサイトだ。気になる絵本の読者の率直な感想がたくさんアップされているので参考になる。ユウchanも、絵本の情報満載のサイトだが、それに加えて木のおもちゃも、たくさん紹介されている。
子どもには、こんな暖かいおもちゃを与えたいものだ。
夕方 このところ、仕事の合間によく見ているのが、ネット上の不動産サイト。春に2人目の子どもが生まれ、仕事場兼自宅マンションが手狭になってきた。それで、近所に中古マンションを買って、自宅部分を移そうと計画中なのだ。新聞の折り込み広告が最重要の情報源だが、ネットは多くの物件情報を俯瞰的に見れるのが利点だ。ただ、ヤフーや楽天の不動産サイトは、古い情報や重複した情報が多くてやや使いづらい。私がよく見ているのは、Home with Netというサイト。マンションの外観や室内の写真、図面、説明データが充実していて、イメージがつかみやすい。情報の更新頻度も比較的多い方だと思う。気になった物件から最寄り駅や仕事場への道順や所要時間を確認するには、Goo地図が便利だ。地図上で起点と終点を設定すれば、最短の道順を自動的に探索して表示し、徒歩8分(614メートル)などと計算してくれるのがおもしろい。地図と航空写真の切り替え表示もできてバーチャル度はかなり高い。

 愛知県で大きな個展を開く予定があるので、その出張の道すがらに何か展覧会を見たいと思う。アートスケープは、全国の美術館や画廊で開催されている展覧会を一覧できるサイトだ。各展覧会の情報には、開催場所のサイトへのリンクが丁寧に貼ってあって、使いやすい。また、注目の展覧会のレヴュー記事なども充実している。
 私は海外の美術館を見るのが好きで、開催中の展覧会を目当てに海外旅行の行き先を決めることもよくある。そんな時に見るのが、 海外美術館リンク。とにかくいろんな国の美術館や博物館がこまめにリンクされている。そろそろまたヨーロッパに行きたいなあ…などと思いつつ、近日発売予定の絵本の追い込みなどに追われて、なかなか日本脱出できない今日この頃だ。

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